救える命があれば どこへでも

柴田紘一郎先生の訃報に接して

風に立つライオンのモデルで、多くの医療従事者に感銘を与えた柴田紘一郎先生が2月19日に亡くなられたとの訃報に接し、哀悼の意を表しますとともに、一言お礼の言葉を申し添えたいと思います。

思えば、私が小児医療を目指したのは、小学校6年の時に聞いたさだまさしさんの「第三病棟」という歌で、国際医療ボランティアを目指したのが「風に立つライオン」でした。柴田紘一郎先生の、青春をアフリカケニアの医療支援に捧げた人生に感銘を受け、先生のような医療者になりたいと心から願いました。小児脳神経外科医を目指して神戸大学大学院に進んだ時に阪神淡路大震災に遭遇した事、そしてその支援へのお礼としてAMDAネパール子ども病院を支援する事になった事、全てはさだまさしさんと柴田紘一郎先生の背中を追い続けた結果でした。

そして昨年末にAMDA兵庫が「風に立つライオンオブザイヤー2024柴田紘一郎賞」を受賞。私たちにとってはこの上ない喜びでしたが、授賞式で柴田先生のご病気のことを伺い、回復をお祈りした矢先の今回の訃報でした。

ただ、私を含めて、柴田紘一郎先生のご遺志を受け継ぐライオンたちは日本全国にいます。先生の目指した世界中の子ども達の幸せと平和のために、活動を継続してまいります。どうぞお見守り下さいませ。

文責:AMDA兵庫理事長 江口貴博