救える命があれば どこへでも

南海トラフ津波災害に対する徳島県と阿南市との合同防災訓練に参加して

2025年10月26日(日)、徳島県阿南市羽ノ浦スポーツセンターで行われた徳島県と阿南市との合同防災訓練に、江口と島田さん、濱村さん(徳島月見ヶ丘の浜を守る会所属、防災海キャンプメンバー)の3人で参加しました。

江口の防災訓練への参加は7回目、コロナ禍を挟んで10年になります。その間、阿南市医師会の先生方、阿南市保健所、阿南防災師、阿南消防団の方々など、多くの人脈を得ることができ、毎年顔見知りの人が増えています。

今回は2月の訓練に引き続き今年2回目となったことや、江口が金曜当直明け翌日も夕方6時まで外来の34時間連続勤務明けだった事、島田さんも土曜日神戸での仕事を終えてから徳島入りが前日夕方となった事、また寒さを防ぐテントサウナを利用した採暖室も必要なかった事から、前回のようなAMDA神女クラブとの合同訓練では無く、必要最小限の人員での参加としました。

また、男性3人での参加だったため、前日はホテルでの宿泊を止めて、徳島市にある銀座みらい歯科(江口の弟が院長)のスタッフルームで雑魚寝をする事で、発災直後の被災地を想定したような前泊として、体力的な負担を検討しました。

翌朝8時に銀座みらい歯科を出発、阿南市北部の羽ノ浦スポーツセンターまでは30分程度の行程でした。ただ、国道55号バイパスはほとんど海抜が低く、実際の津波災害時は勝浦町からの山越えでの行程しか使えないと思われました。

現地に着くと、すでに多くの住民たちが受付を済ましていて、早速避難所の設営訓練を始めていました。訓練には数年前から自衛隊や国土交通省、通信事業者や防災グッズを扱う企業なども多くのブースを作っていて、毎年内容も濃くなり、訓練の内容もコロナ対応やペット対応、障害者対応など、新しいテーマを見つけて進化していることが伺えました。

医療救護班も、前回までは学校の保健室などを利用して設営していましたが、今年はエアーテントを設営して、屋外の仮設場所での初めての活動でした。今回も阿南医師会から二人の開業医の先生も参加されました。阿南市の岩浅市長も医療救護班を訪ねて下さり、発災時の医療対応について今後も共に協力して行く方向を確認しました。

避難所の設営がほぼ終わり、日本赤十字社の炊き出しの豚汁とおにぎりでお腹を満たしてから、正午前からトリアージの実践と赤タグの重傷者に対する救急医療のデモンストレーションを行いました。諏訪中央病院からのD—MATチームは素晴らしい統率力で、本番さながらの迫眞の演技で急性期ABC治療の実演をしました。江口はデモンストレーションの解説を、ホウエツ病院の林先生からは包括の訓辞があり、住民の方々も真剣な眼差しで話を聞いていて、拍手の中で医療救護班の訓練を終えることができました。

その後、江口は神戸での夕方往診の仕事が入ったため、終了後すぐに阿南市を出ました。島田さんは別行動でそれぞれの車で自宅に帰りました。

ただ、今回の訓練での疲労度は今までとは全然違って、疲労困憊の中自宅に帰り、食事と入浴を済ましたらあっという間に爆睡、二人とも翌日も疲れが残っていました。

実際の発災時は、医療救護に関わる医師や看護師、調整員たちの負担軽減のため、ホテルが無理であればキャンピングカーのレンタルなども考えないといけないと思いました。 次回も、次の新たなテーマを持って訓練に参加したいと思います。今後ともご協力をどうぞよろしくお願いします。

文責:江口貴博